Christophe Aubertin氏の公開レクチャーが10月17日(土)17:00より開催されました。
当日御多忙の中、御参加下さりありがとうございました。
御本人の許可を得て、当日の模様をダイレクト撮影した動画を公開いたします。

※全編英語での説明・対談になっておりますので、Youtubeの字幕機能等をご活用ください。

collectif studiolada -Nancy
https://www.studiolada.fr/architecte/christophe-aubertin


フランスのナンシーに、Christophe Aubertinという建築家がいる。彼の建築を見ていると、建築とは本来、その土地にあるものでつくるものだったという、ごく当たり前のことを思い出す。近くの山の木を伐り、近くの採石場から石を切り出し、その土地の職人が自分たちの知っている方法で建てる。世界中から材料を集めることのできる時代になって、私たちはいつの間にか、そんな当たり前のことを忘れてしまった。

Aubertinは、建築家集団Studioladaの共同創設者として、フランス東部を中心に仕事をしている。彼らは木や石、土、藁といった、その土地にある材料を使う。しかし面白いのは、それが単なる環境建築ではないことである。材料を探して森や採石場へ行き、製材所を訪ね、職人と話をする。そこでできることから建築を考える。だから建築をつくることが、地域の産業を支え、人の仕事をつくり、その土地に蓄積されてきた技術を次の世代へ渡すことにつながっていく。

Saint-Dizierの市場では、近くで採れる石と木を使って、大きな公共空間をつくった。Plainfaingの小さな観光案内所も、ほとんどが周辺で手に入る石と木でできている。しかし、決して昔の建築を真似しているわけではない。できあがったものは驚くほど現代的で、美しい。そこが彼の建築の面白いところだと思う。

建築は形をつくることだと思われがちである。しかし建築の後ろには、森があり、山があり、材料をつくる人がいて、それを組み立てる人がいる。そして建築ができれば、そこにまた人が集まる。建築は一人ではつくれない。Christophe Aubertinの仕事を見ていると、その単純な事実が、建築をとても豊かなものにしていることに気づく。

今回、彼を東京都市大学に迎え、その建築について直接話を聞くことになった。遠いフランスの地方で行われていることのように見えるが、これは日本の建築にとっても決して遠い話ではない。日本にも森があり、石があり、職人がいる。それぞれの土地には、長い時間をかけて培われてきた技術がある。それらと建築がもう一度つながったとき、私たちはどのような建築をつくることができるのだろうか。学生だけでなく、建築に関わる多くの人たちと一緒に、彼の話を聞きながら考えてみたい。

如学会会長 手塚貴晴

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